創業1927年 お菓子一筋の美味しさ心がこもったお土産を——。

包装紙の物語

はやそばもちの写真

 温泉まんじゅうの包装紙のデザインは、明治のころの地元渋温泉出身の日本画家、児玉果亭の作品をそのまま写したものである。
 昭和の初期に当時の郷土史家が記した児玉果亭の年譜によると
「明治11戌寅年、明治大帝北陸御巡幸の際、平穏村全図、殊に温泉郷の状態を描きし大幅を天覧に供し奉る。」とある。明治11年にこの地方を訪れた明治天皇にこの村の様子を説明するために、写真の代わりに、高台から温泉地の風景を精密に書き写した大きな絵を用いたようである。
実際に天皇にご覧いただいたと言われている実物は現在山ノ内町が所蔵するが、当店に残るこの作品はこれと全く同じ構図であり郷土史家によると「おそらく練習もしくは下書きとして描かれたものであろう」とのことである。
絵の上部に書かれた文字は「大日本 信濃州 高井郡 平穏村 温泉場遠望の真景」で
現在の住所と比べると「長野県 下高井郡 山ノ内町 大字平穏」とほぼ同じである。大きさは縦100cm、横130cmほどの大きなもので、よく見ると建物が集まっているところには、湯田中温泉、渋温泉、地獄谷などと地名を記した小さな紙が貼られている。
 現在も山の形は当時と変わらないので、オリンピック道路佐野角間インターから山手に上ったあたりからは、この絵柄と同じ山を現在でも見ることが出来る。

お祝い事、ご法事の好適品